フィールドノートinHCM

ベトナム。朝。昼。夜。」

朝6時頃。鶏の鳴き声とともに朝が始まる。学生も社会人もバイクにまたがり、目的地へ向かう。信号が青に変わる瞬間、一斉にクラクションを鳴らし、前方のバイクを抜かしていく。朝ごはんは、バインミーと練乳入りの甘いコーヒー。これが定番だ。ベトナムには、乾季と雨季しかない。その日に空が曇っていれば、要注意。土砂降りの雨が降るだろう。ここには、傘をさすものはほとんどいない。傘をさすのは、観光客ぐらい。雨が降り始めると、みなバイクを止め、カッパを着る。そして再び走り出す。彼らが止まることはない。昼頃になると、蒸し暑さで、服が体にへばりつく。一休みしに、カフェに一歩足を踏み入れる。この時間は、暑さを凌ぎにきた人で賑わっている。ベトナム語があちこちで飛び交う。ベトナム語には、声調が6つもある。独特な音である。世界の言語のなかでも勉強するのに難しいと言われている。「Xin chao」と笑顔で話しかけると、みんなそれに応えてくれる。とてもフレンドリーだ。中には、英語で話してくれる人だったり、日本語で話してくれる人も少ないながらもいた。ある人は、バイクの上に寝転がり、新聞を読んだりと暇を持て余している。またある人は、公園だったり、路上の屋台で友達と一緒にお喋りをしたり、何もすることなくのんびり過ごしたり。

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夕方になると、ホーチミン中、大渋滞による大混乱がおこる。みんな仕事や学校を終え、家に向かう。なかなか前に進まない。歩いた方がはやいとも言える。こんな光景は見たことないと、車内から外の様子を写真におさめると、「こんなのはベトナムでは日常茶飯事だよ。」とタクシーの運転手さんが笑いながら教えてくれた。そうなのか。さすがは、バイクの王国、ベトナムだ。家に帰り、シャワーを浴びる。彼らは、1日に二回以上はシャワーを浴びる。それくらい、時間にゆとりがある。ここにいると、「忙しい」という言葉も忘れてしまうくらい。家で、ゆっくりと過ごし、再び、ご飯を食べに外へ出る。近くの定食屋に入ると、大皿料理がでてくる。家族と、友人と、みんなで分け合う。1人より誰かと一緒にご飯を食べた方が美味しい。ここには、日本のように娯楽が少ないかもしれない。だが、彼らは、一日いちにちの楽しみ方を知っている。夜の12時になると、朝のバイクの交通量はなんだったのか。みな家に帰り、ベッドに就寝。そして、再び朝を迎える。